
原点をほどよく愛しみ、時代の変化を塩梅よく捉えること。
大阪王将が提供する【独立支援制度】の考え方とメソッドを、
各々の経験、スキルと、想いを視点に発信します。
トピックス

植月 剛
取締役兼株式会社大阪王将代表取締役社長
1995年4月に株式会社大阪王将に入社。
2006年6月に取締役に就任し、2020年10月に代表取締役に就任。

竹本 光明
取締役執行役員
大阪王将の札幌直営店責任者から、加盟店担当部長を経て、現職に就任。

林 淳司
取締役執行役員
アルバイト時代から大阪王将で働き、直営店責任者、
できたての餃子をお客様に喜んでもらうことが、大阪王将の原点。
大阪王将の歴史は、餃子の歴史でもある。
植月:大阪王将が何よりもこだわっているのは、やっぱり餃子の味だよね。できたてのおいしい餃子を、お客様にお届けして喜んでもらうことが、大阪王将の原点であり、変わることのないミッションでもある。
大阪王将はもともと餃子の王将ののれん分けで、餃子の王将は創業当初からいろいろなメニューを扱っていたけれど、大阪王将は餃子一本だった。ほんとに餃子のメニューしかなくて、お客様が来られると「餃子何人前ですか?」しか聞かない(笑)。
お客様が「一人前」と言うと、「本当に一人前でいいんですか?追加できませんよ」と聞き返すぐらい、餃子の味には自信があったんだよね。だから大阪王将の歴史は、餃子の歴史でもある。
途中から「やっぱり餃子だけではだめだろう」ということで、少しずつメニューを増やしてきたけれど、僕らにとって餃子が原点であることには変わりないよな。
竹本:大阪王将のスタッフは、餃子を巻くことに対して、ものすごい情熱を注いでいますよね。私も入社したての頃は、巻きの技術がすごい人を見ると、「あんなに早く巻けるなんてすごい!自分もああなりたい」と思って、必死で練習したものです。
林:そうそう。「この人よりきれいに巻きたい」とか、「もっと早く巻けるようになりたい」とか、スタッフ同士でいつも競い合っていますよね。おいしい餃子を作って、少しでもお客様を喜ばせたいという気持ちがあるから、自然と競争心も生まれるんだと思います。

誰が作っても同じ味の餃子なんて、面白味がない。
植月: 餃子はいったん巻くと、一気に劣化し始めるからね。だから、できるだけ巻いてからお客様にお届けするまでの時間が短い方が、美味しく食べていただける。
そのためにはスピードも重要なので、少しでも早く巻くために、思い切って皮のひだの数を1つに減らした。モタモタやっていると、どんどんおいしくなくなるからね。
林:おいしい餃子を作るには、芯温も大事ですよね。焼き終わったときに、肉の芯の温度が98℃ぐらいになっているのが理想的。でもそれが、なかなか難しいんですよ。変な巻き方をすると、芯温が上がらないんです。
竹本:餃子の餡の練り方にも、こだわっていますよね。野菜がガッサガサで、餡が乳化されていないと、芯温も上がらないし旨味もない。餡を巻くときは、絞り込むように中の余分な空気を抜きながら巻くんですけど、これがまた難しいんです。
植月:焼きにしても、巻きにしても、毎日進化して自分の技術を高めているというモチベーションが、やっぱり大事だと思う。その思いが、お客様にも伝わっているんじゃないかな。お客様の中には、「今日はあの人が餃子を焼いていないから、買わないでおこうか」という人もいるぐらいだからね。
そもそも誰が作っても同じ味の餃子なんて面白味がないし、店長の餃子への思いがなくなってしまったら、お店としての魅力もなくなってしまう。だから皆、「餃子を巻いて焼くのは、自分が一番うまい!」と自負しているんじゃないのかな。餃子の話をし始めると、止まらなくなるね(笑)。

繁華街の店舗から、地域の“街中華”へとシフトする大阪王将。
住宅街の一角に、新しい形の大阪王将が誕生。
竹本:大阪王将の餃子にかける思いは、今も昔も変わりませんが、このコロナ禍になって出店する地域はガラリと変わりましたよね。これまでターミナル駅を中心とした繁華街に出店していたのが、いまは住宅街の一角に店を出すようになりました。
半径数百メートルという小さな商圏の中で、地域のお客様とともに歩む「街中華」のスタイルになって、店舗の雰囲気もだいぶ変わりましたね。
植月:今までは山手線沿線のような人のたくさん集まる場所に出店していたから、大きな利益を出せるチャンスがあるけれど、失敗すると痛い思いをするリスクもかかえていたよね。それがコロナ禍になって、駅から遠い住宅街に出店するようになった。当然テナント料も安く、目標とする売上も低く設定される。
だから、今までのような大きな収益は望めないけれど、テイクアウトの需要がかなりあるので、安定した収入が望めるというビジネスモデルなんだよね。

閉店を考えていたお店が、街中華として生まれ変わる。
植月:たとえば8月22日にオープンした「武蔵野緑町永楽店」は、もともと古希を迎えた店主が営む、「永楽」という中華料理店だった。63年間営んできたお店をたたむという話だったので、「それなら大阪王将にやらせてもらえませんか?」ということで、店舗を借りるとともにお店の看板メニューや店名も引き継いで、新しい形で開店することになった。
席数は16席しかないけれど、売上の85%がテイクアウトなので、あっという間に売上目標の1.5倍~2倍を達成してしまったよね。この店だけでなく、街中華としてオープンした店のほとんどは、そのぐらいの売上を上げている。
いま世の中はどこも、暗いじゃないですか。個人の飲食店がどんどんなくなってしまい、地域の味が消えてしまう。でも、この永楽のように長年親しまれているお店は、できればずっとその地域に残っていてほしいよね。
竹本:気仙沼の方は、震災で街から飲食店がなくなってしまったことを理由に、店舗をオープンしましたよね。「地元でずっと育っている僕らが、大阪王将のチェーン店を出して、皆のために食事を作りたい」と言っていました。地元を愛する店主の気持ちが、ひしひしと伝わってきて、ほんとに嬉しかったです。

自分らしい店づくりができる、生活安定型の独立支援制度。
お店をきっちりと守ってくれる人に、独立支援制度を活用してほしい。
植月:そういえば林くんは、うちの独立支援制度の先駆けなんだよな?
林:ええ。16歳の頃から大阪王将の店舗でアルバイトを始めて、その後独立して店を持ったんですけど、まあいろいろあって、要は2店舗目を出店して失敗したんですよ(笑)。「それなら戻ってくれば?」と会社から言われて、いまは本社で働いています。
植月:1店舗目は儲かっていたのに、その店を人に任せてしまったのが、業績が落ちる原因だったのかもしれないね。
林:そう、そうなんです!自分が先頭に立ってやっているときは良かったんだけれど、人に任せたときから、お店の熱量が下がっちゃったんですよ。やっぱり、手を広げて楽して儲けようというのは、勘違いでしたね(笑)。
植月:確かに、リーダーが現場から抜けてしまうと、それに比例して店の業績が落ちてしまうパターンは多いよね。だから今回の独立支援制度で募集する人も、スタッフに任せっきりではなくて、自分自身がきっちりと店を守ってくれる人がいいと思う。
それから、餃子が好きだっていうことも大事かな。餃子が好きじゃないのに、毎日餃子を焼くなんて、辛いじゃないですか(笑) 自分が作った餃子をお客様に食べてもらって、喜んでいる笑顔を見るのが、この仕事の一番のやりがいじゃないかな。
餃子じゃなくても、料理が好きとか、接客が好きとか、根底に「飲食業が好き」という気持ちがあることが、すごく重要だと思う。投資目的でやりたいという人には、うちの仕事はまず無理だね。

ハイリスクハイリターンから、安定性・継続性を重視した経営へ。
植月:もちろん開店するにあたっては、大阪王将の餃子をお店で出してもらうという条件があるけれど、それ以外のメニューに関しては自由だから、その街に合った店を作ることができる。これは当社の独立支援制度の、大きな利点かな。 出店にかかる物件の取得費用や、店内の改装費用、加盟金も当社が負担するし、一定期間は従業員として勤務できるから、開業当初のお金の心配をする必要もない。まあ昔に比べたら、ものすごくゆるゆるの制度だよな(笑)。
林:ほんとですね。言ってみれば「生活安定型の独立支援」ですよね。私は昔の独立支援制度を活用して店を持ったから、このゆるゆる感は信じられないぐらいです(笑)
植月:昔の独立支援制度は、ハイリスクハイリターンだったからね。だから儲かればいいけれど、苦しくなるときは本当に苦しい。でもいまの独立支援制度は安定型で、まずは給料をもらいながら、段階的に無理なくお店を営むことができる。 途中からルート変更もできるし、契約内容の見直しもできるから、自分の身の丈に合った契約内容に切り替えることもできるしね。
林:やはり独立すればいい時もあれば、悪い時もある。 だけどそんな状況に応じ、大阪王将が支援する仕組みや制度も用意しているので、本人の強い意志と前向きな気持ちさえ無くさなければ、トライ&エラーしながら成長やキャリ アアップができる。 ほんとにこれって、すごくいい制度なんですよ。独立経験のある自分から見たら、もうこれ以上恵まれた制度は、どこを探してもないと思いますね。

ピンチと思えるコロナ禍も、大阪王将にとってはチャンスでしかない。
植月:いまコロナで社会が暗くなっているけれど、正直コロナがあったから大阪王将も原点に帰って、街の中華屋として地域のお役に立てるようにもなった。そう考えると、目の前に起こることで無駄なことはひとつもないし、コロナ禍もチャンスでしかないよね。
林:その通り!
竹本:同感です!
植月:店内の感染対策をするために、奈良県立医科大学と共同研究をしたら、新型コロナウイルスを99.99%無害化する光触媒コーティングも開発してしまった(笑)。
当社としては、お客様に安心して料理を召し上がっていただくために開発したのだけれど、思いもかけない大企業から商品の引き合いがあって、ビックリしたよ。人生何が起こるか、わからないよね。
竹本:明るく笑ってがんばっていると、チャンスが引き寄せられていくんですね。これから大阪王将で独立を目指す人は、明るく笑いながら、地域の人々と一緒に生きて行ってほしいです。私たちスタッフも、そんな方々を全力で応援しています!