飲食店経営に最低限必要な知識5選!必須資格、あると役立つ資格も紹介
「飲食店を経営したいけど、どんな知識が必要なのか?」「何から始めていいかわからない」と考える方は多いでしょう。
経営に関する知識やスキルは数多くありますが、今回は特に欠かせない5つのポイントについて解説!
また、飲食店経営に必要な資格と、持っているとお客様へのアピールや経営の助けになる資格もあわせてご紹介します。
飲食店の開業を考えている方、現在の経営に役立つ情報をお探しの方は是非ご覧下さい。
(飲食店の開業手続きなどについてはこちら)
トピックス
飲食店経営で重要な5つの知識
ここでは、飲食店の経営を成功させるために最低限必要な知識やスキルをご紹介します。今回取り上げるのは以下の5つです。
- コンセプト
- 顧客理解
- 教育ノウハウ
- 営業利益の知識
- 販促活動
1.コンセプト
コンセプトとは、「経営するお店をどんなお店にしたいか」という経営の軸になる構想のことです。
コンセプトを決める時は、5W1H(何を・誰に・どこで・いつ・なぜ・どのように)をもとに考えるとよいです。
特に「誰に」=「ターゲット」を明確にすることが大切です。
他店と差別化されたコンセプトにはアピール力があり、そのお店の魅力となります。
また、コンセプトは物件、立地、店の内装、メニュー開発、スタッフ教育、販促活動など全ての意思決定の判断基準になるため、ぶれずに一貫している必要があります。
例えばお店のコンセプトが「お客様が家族でゆったりとくつろげるお店」だった場合、立地はオフィス街でなくベッドタウン周辺で探したり、座席のレイアウトは間隔を広めにとるなど、コンセプトをもとに決めていくことになります。
そこがぶれてしまうと、本来目指していたお店の魅力が発揮できず、集客力も弱まってしまいます。
2.顧客理解
顧客理解とは、文字通りお客様を理解すること。お客様が何を求めているのか、また、お店はお客様の求めているものを提供できているのかを常に考え、行動する姿勢が重要です。
お店のコンセプトを決める時も「自分がこうしたい!」という発想だけではいけません。ターゲットとなるお客様が求めるものをよく考え、反映させましょう。
開業後もアンケートをとったり、時間帯ごとの客層を調査したりすることで現状のニーズをつかみ、トライアンドエラーで改善を進めます。
何に喜びを感じるか、何を不満に思うかは人それぞれなので、接客をする際は常に周囲にアンテナを張って行動しましょう。
3.教育ノウハウ
店員の雰囲気や対応の良し悪しは、お客様がお店を選ぶ時に大きく影響します。そのため、教育ノウハウを整えることは非常に重要です。
スタッフ全員がコンセプトを理解できるようマニュアルを作り、研修期間中は教育する時間がしっかりとれるよう、シフト調整などの準備をしましょう。
「忙しくて教えられない」と教育を疎かにしてしまうと、人によって味やサービスにばらつきが出てしまい、クレームにもつながります。
最初は大変でもしっかり教育を行いスタッフの質を上げておくことで、お客様の満足度も向上し、効率よく店を回せるようになるでしょう。
4.営業利益に関する知識
営業利益に関する知識は、お店がどれだけ儲けを出せているかを正しく把握するために必要です。代表的な指標としては、売上に対する利益の割合を表す「営業利益率」や、売上に対する材料費と人件費の割合を表す「FL比率」などがあります。
日々の売上や経費を記録し、これらの指標をチェックしながら利益を出せるように対策を行いましょう。
また開業前でも、想定される経費と売上を指標に当てはめて考えることで、実現可能な事業計画かどうかを判断するのに役立ちます。
(「営業利益率」や「FL比率」について詳しくはこちら)
5.販促活動
ここまでに挙げた店舗づくりに関する知識もとても重要ですが、店舗を運営する上で集客のために販促活動も併せて行いましょう。SNSなどの普及により、お金をあまりかけず誰でも簡単に情報を発信できる方法が増えました。ここでは販促活動の代表的なものをご紹介します。
・SNSを利用する
Twitter、LINE、Instagram、FacebookなどのSNSを利用した販促活動は、基本的に無料で始められるため飲食店ではほぼ必須と言っていいでしょう。
利用するSNSによって特徴やユーザー層が異なるので、ターゲットや情報発信の方法によって使い分けることも重要です。
・ホームページを作成する
SNSでの販促活動は情報をタイムリーに発信でき更新性に長けている反面、表示できる情報量に制限があり、時間が経つと古い情報がどんどん埋もれてしまうというデメリットがあります。
ホームページを作るにはある程度初期投資が必要ですが、情報をたくさん載せることができ、お店のコンセプトやイメージをわかりやすく視覚的に表現できるのがメリットです。
また最近では販促活動をSNSに限定している店も多いため、ホームページがあるとお客様からの信頼感が増します。
・ポイントカードやDMの準備
ポイントカードはリピート客を増やすための施策としてよく使われます。
例えば「3回目の来店でトッピング無料」など、最初の特典がもらえるまでのハードルを低めにするといった工夫があるとなお良いです。
また、アンケートなどで得たお客様の情報をもとにDMを送るという手もあります。
お客様の同意を得た上で、メールや郵便など状況に応じて使い分けましょう。
必要な資格・あると役立つ資格
ここからは、飲食店経営に関する資格についてご紹介します。飲食店を経営するのに必須なのは「食品衛生責任者」で、店舗の規模によって「防火管理者」も必要となります。
「調理師免許」「日商簿記」といった資格は取得しなくてもお店の経営ができますが、あるとお店を運営するうえで役立つでしょう。
食品衛生責任者
食品衛生責任者とは、お店の運営上、食品衛生に関する法令に違反しないよう日々の衛生管理を行う責任者を指します。管理者になるのは必ずしも店長である必要はありません。
その飲食店に常駐する従業員のうち最低1名を選任するよう法令で定められています。
食品衛生責任者の資格を取得するためには、各都道府県で開催されている講習会を受講する必要があります。
講習期間は1日で、およそ1万円ほど受講料がかかります。
防火管理者
収容人数が30名以上の飲食店では、延床面積に応じて甲種防火管理者、乙種防火管理者いずれかの資格を持つ従業員の選任が必要です。
この際「収容人数」にはお客様だけでなく、従業員の人数も含まれます。
講習会は各都道府県の消防局等が実施しており、甲種の講習を修了するとすべての防火対象物で防火管理者へ選任することができますが、乙種の講習だと防火管理者へ選任できる防火対象物が小規模なものに限られます。
調理師免許
調理師免許は飲食店開業にあたって必須ではなく、調理師免許がなくても開業は可能です。ただし、調理師免許を持っていると、その人を食品衛生責任者に選任する場合、講習が免除になるというメリットがあります。
また、免許取得までに学んだ調理の専門知識や技術をメニュー開発などに生かせるので、調理師免許は持っておいて損はない資格です。
調理師免許試験を受けるためには、調理専門学校等を卒業するか、調理の実務経験が2年以上必要となります。
日商簿記
簿記の資格がなくても開業はできますが、簿記の知識があれば日々の売上管理や営業利益を把握するための基本的な考え方が身につきます。日商簿記には1級から3級までありますが、初歩の3級でも簿記の基本的な仕組みを理解することができるため、一から勉強したいという方には3級がおすすめです。
受験方法は年に数回行われる統一試験(ペーパー試験)と、全国のテストセンターでいつでも受験できるネット試験があり、都合に合わせて選ぶことができます。
受験日程や申込方法が異なるので、商工会議所のホームページかお近くの商工会議所で確認してください。
アピールできる資格
ここでは、持っているとお客様へのアピールにつながる資格をご紹介します。資格の知識を身につけることで、お客様とのコミュニケーションや新しいメニュー開発などにも活用できるでしょう。
ソムリエ
ワインを中心に様々なお酒についての知識を持っているのがソムリエです。
ソムリエ資格をとることで、ワインと料理の組み合わせの判断やワインの管理ができるようになります。
また、ソムリエの名称は日本でも広く知られているので、資格を持っていればお酒を扱うお店では大きなアピールポイントとなるでしょう。
あまり知られていませんが、日本で認定されるソムリエ資格は2種類あります。
一般的に「ソムリエ」といえば、「日本ソムリエ協会(JSA)」が認定するソムリエ資格を指すことが多いです。
認定試験を受けるには、アルコールを扱う職業で3年以上の実務経験が必要となります。
もう一つは「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」が認定しているソムリエ資格です。
こちらは実務経験などが不問で、資格取得のハードルが低くなっているのがポイントです。
日本ビール検定
日本ビール検定は、「日本ビール文化研究会」が実施している検定試験です。1級から3級まであり、満20歳以上であれば誰でも受験できます。
ビールの製造方法から、世界各国のビール文化や歴史、おいしく飲むための方法など様々な知識が身に着くので、お客様との会話を盛り上げるのに活用できるでしょう。
そのほか、ビールを美味しく提供するノウハウを持っていることを認める「ビアアドバイザー」や、ビールの基本的なテイスティング能力を認める「ビアテイスター」等の資格があります。
きき酒師
きき酒師はお客様に日本酒をおいしく飲んでもらうための資格です。「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」が認定を行っています。
酒類全般の知識のほか、飲食サービスに必要な知識や技術が身につくので、季節に合った料理や酒器をお客様に提案できるようになります。
このほか、「日本ソムリエ協会」が認定を行っている「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」も日本酒に関する資格です。
また「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」ではきき酒師以外に、焼酎の知識やテイスティング技術を認める「焼酎きき酒師」の試験も行っています。
カクテル検定
「カクテル文化振興会」が開催している検定試験がカクテル検定です。カクテルを身近に楽しんでもらうための資格で、1級から3級まであります。
3級はカクテルの知識のみ問われますが、2級ではテイスティング試験、1級ではカクテルを実際に作る試験があり、より深い知識・技術を身につけることができます。
まとめ
今回は飲食店経営をするうえで最低限必要な知識と、飲食店経営に関連する資格についてご紹介しました。営業利益のチェックや販促活動、従業員の教育など、お店を開業したら様々な業務を並行して進めないといけません。忙しい中でも常にお客様の事を考え、最初に掲げたコンセプトからぶれない経営を心がけましょう。
また、開業するために必須の資格は「食品衛生責任者」と、場合によっては「防火管理者」の2つだけです。プラスアルファの資格は、簡単に取得できるものや取得まで時間がかかるものがあるので、必要に応じて取得を検討しましょう。
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